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「『ドゥルージアンの交差点』序論」試訳 1 (P128・第一パラグラフ)

では一番最初から行きます。訳文P128(原文P1)、第一パラグラフです

 

原文:Gilles Deleuze was a thinker whose main concern was creation and differentiation, and according to whom new assemblages constantly emerge, reconfiguring reality in the process.

藤井氏訳:ジル・ドゥルーズ(Gilles Deleuze)は、生成と差異化に主要な関心を寄せる思想家であった。彼によれば、生成と差異化のその過程の中で現実を再構成しながら新たな組み合わせが絶えず現れてくる。

拙訳:ジル・ドゥルーズは、創造と差異化に主要な関心を寄せる思想家であった。彼によれば、絶えず新しいアッサンブラージュが現れ、その過程の中で現実を再構成してゆく。

※コメント:creationは「創造」です。

 

原文:Rather than accepting already established philosophical categories and distinctions he reassembled thought in new and inventive ways, thereby producing conceptual hybrids with unusual qualities and different potentials.

藤井氏訳:既存の哲学的カテゴリーや区別を受け入れるのではなく、むしろ独特な性質と異なる潜在性とから概念的ハイブリッドを作り出すことで、斬新かつ独創的な方法で思考を組み立てなおした。

拙訳:既に確立された哲学的カテゴリや区分を受け入れるのではなく、新しい独創的なやり方で思考を組み立てなおし、そのことによって尋常ならざる質と異なった潜勢性とを備えた概念的ハイブリッドを生み出してきた。

※コメント:

 ・therebyの前が原因、後ろが結果になります

 ・潜在性(virtual)と訳しわけるならpotentialは潜勢性の方がいいんじゃないかなぁ

 

原文:The basic elements in Deleuzian thought are not static but entities in becoming. Consequently, the questions to be asked is not what something is, but rather what it is turning into, or might be capable of turning into.

藤井氏訳:ドゥルーズの思考の基本的要素は静的なものではなく、生成途上のものである。それゆえ、問われるべきなのは、あるものが何であるのかではなく、むしろ潜在的/現働的に変化しつつあるものが何なのかである。

拙訳:ドゥルーズ思想の基本要素は静的ではなく、生成変化するエンティティである。すなわち問われるべきは、それが何であるかではなく、むしろそれは何へと変化するか、あるいは何へと変化することができるかである。

※コメント:どこから潜在的(Virtual)/現働的(Actual)が出てきたのだろう。百歩譲って「現働的/潜在的」なら全く理解できないというわけでもないが……

 

原文: Practice, knowledge, politics, culture and agency are seen as continually produced in heterogeneous processes without definite control mechanisms. Further, such processes traverse modern distinctions including the human and non-human, the material and ideal and the theoretical and practical.

藤井氏訳:実践や知識、政治、文化、そしてエージェンシーは、異種混淆の諸過程の中で、明確な制御機構なしに絶えず作り出されるものとして認められる。さらに、そのような諸過程は、人間と非人間、物質と観念、理論的なものと実践的なものといった近代的な区別を横断する。

拙訳:実践、知識、政治、文化、そしてエージェンシーは、厳密な制御メカニズムを欠いた異種混淆的なプロセスの中で絶えず作り出されるものとみなされる。さらに、こうしたプロセスは人間と非人間、物質と観念、あるいは理論と実践を含む近代の区分を横断する。

※コメント:ここはおおむねOK

 

原文:This volume raises the question of what a Deleuzian approach might entail for social anthropology and for science and technology studies (STS).

藤井氏訳:本書が提起するのは、ドゥルーズのアプローチが社会人類学と科学技術論に及ぼすものは何かという問いである。

拙訳:本書が提起するのは、ドゥルーズ的なアプローチが社会人類学と科学技術論(STS)に対してもたらすものは何かという問いである。

※コメント:ここもOK

 

それではまた次回

 

<参照文献>キャスパー・イェンセン&ティエティル・ロジェ、2016、「『ドゥルージアンの交差点』序論」藤井真一訳、『現代思想 3月臨時増刊号 人類学のゆくえ』、p.128。